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【広報取材】加工にかける思い 海外女性農協関係者へつなぐ

JAの組合員で、地元野菜を使った加工品を手掛ける小俣シゲ子さんと相模原市の郷土料理「酒まんじゅう」を作り続ける安藤弘子さんは3月6日、(一財)アジア農業協同組合振興機関(IDACA)が実施した研修に協力し、農産物加工の取り組みに関する説明と施設見学について視察を受け入れました。
同機関は、JAグループの国際協力活動を担う組織として1963年に設立。発展途上国の協同組合運動に従事する指導者育成のため学習機会を設け、国際社会の中で連帯性を育む場として、これまで6,800人以上の研修員を受け入れてきました。研修員の中には農協運動の指導者として活躍し、協同組合育成を所管する政府関係者など、アジア諸国をはじめとする世界約130カ国に研修卒業生の輪が広がっています。
研修は、同機関が国際協同組合同盟(ICA)から委託を受けて、農村経済活性化のため女性の役割・能力向上を目指すものです。2月27日から3月12日までの14日間、ヨルダンやネパール、マレーシアなど7カ国から各国協同組合関係機関に所属する女性7人が来日しました。来日期間中、事前の動画視聴による学習を踏まえたレポート発表やJAえちご中越管内の営農関連施設、女性農家等を視察し、農村女性の営農やアグリビジネスの取り組みについて学習しました。
小俣さんは、過去に地域の女性農業者が集まって研修を受け、グループを発足させるまでの経緯や苦労、成果などを紹介。精魂込めて育てたトマトの中で、規格外品を活用した“もったいない加工”の実践は、家族の協力で実現していることを強調しました。
安藤さんは酒まんじゅうについて、作るようになったきっかけや長く続けている思いなどを説明。工房内で実際の製造工程を披露し、研修員は生地に餡を包む安藤さんの熟練の技にため息を漏らしていました。
研修の終わりに、研修を通じて得た知識や情報を基に、研修員の自国で農村女性の組織化や事業改善の取り組み、農協運営のためのアクションプランを作成しました。
同機関の事務局では「2人の加工にかける思いや地域とのつながりのたいせつさなどを学ぶことができた。研修員がこの経験を本国に持ち帰り、現地の関係者にその経験を共有してもらいたい」と期待を寄せています。