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【広報取材】業務用キャベツ 安定供給して30年

キャベツを収穫する田所さん

 上溝支店・田名支店の組合員5人で活動する「業務用キャベツ出荷組合」は昨年、発足30年を迎えました。同グループは1994年、JA管内の酪農家らが集まり、遊休農地の有効活用などを目的に設立し、現在までキャベツの安定供給に努めています。昨年5月、「設立30年を経てなお地域農業の発展のため意欲的に農業に取り組んでいる」として、相模原市の優良農業者表彰(団体表彰)を受賞しました。

 同グループに所属する組合員が生産したキャベツは、JA営農センターを通じて「JA全農かながわ中央ベジフルセンター」などに出荷。ここ数年は2000ケース(1ケース15㎏)前後の出荷で推移しています。

 発足当時、グループの一人だった榎本弘美さんによると、同グループは酪農家だけでなく蔬菜を主力とする農家も加わり10人以上でスタートしたそうです。田名地区の約50~60aの畑で、県職員やJA職員に指導を仰ぎながらキャベツ生産に取り組み始めました。

 榎本さんは酪農を経営しつつ、所有する畑でキャベツ栽培を始めました。酪農経営で必ず発生する牛ふんを活用し、10aあたり軽トラック5、6台分投入して土壌改良に努めました。野菜作りの経験が少なく、グループ内でも若い方だったこともあり、先輩農家から窒素・リン・カリのバランスを取るよう教えてもらいました。榎本さん宅には農耕用トラクターに農薬噴霧器を取り付けて畑に散布していた写真や、グループが出荷検討会などを定期的に開き、キャベツの品質向上に努めてきた資料が大切に保管されています。

 12月下旬にはグループの一人で、今期は約30aの畑でキャベツを生産する田所茂雄さん宅でも最盛期を迎えました。今期は夏場の暑さが影響し、例年より2週間程度遅い収穫期を迎えました。納入先からは固めキャベツの引き合いが多く、それに応えるため「YR藍宝」を使用。一方、生食向けとして比較的やわらかい「あまみさき」も生産します。父の代から同グループに所属し、より良い品質のキャベツ生産へ試行錯誤を重ねています。

  田所さんは「毎年気候や条件が異なるので完璧なキャベツを作るのは難しいもの。経験を重ねながら栽培技術を高めていきたい」と力を込めています。