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【広報取材】農薬散布にドローンを活用
JA麻溝支店の組合員ら14人で組織する当麻用水組合は8月23日、麻溝地区の同組合員の水田で、ドローンを活用した農薬散布を行いました。
同組合では担い手の減少や高齢化などの影響を鑑み、昨年冬から農作業の省力化などを目的に検討を開始。同JAに相談したのがきっかけです。
ドローンの飛行は、同市を拠点にドローンパイロットの養成や空撮事業などを展開する㈱AIR WOLF(エアウルフ)が担当。ドローンを操縦するパイロットや無線を通じてパイロットに指示を出すナビゲーター、機材サポート役など3人1組のチームで運営します。航空写真で農薬をまく水田の場所を確認し、安全に配慮しながら飛行します。
使用したドローンは同社が運用する全長約2m、重さ約20kgのサイズ。翼は折り畳んでコンパクトにまとめることができます。バッテリー駆動で一回最大20分程度飛行可能で、農薬を水で希釈した散布液をドローン本体中央のタンクへ投入して上空2mの高さから散布します。農薬だけでなく種子や肥料散布にも対応可能です。機体は行政上の登録済みで、予め飛行に関する諸条件などを確認して臨みました。
作業は同組合員や支店・JA営農センター職員が見守る中、風が比較的穏やかな午前6時頃から開始。作業着・ヘルメット姿のパイロットがナビゲーターの指示に基づき、同組合員の水田約5haの散布を4時間ほどで終えました。組合員ら見学者はドローンによる散布の速さに目を見張っていました。
同社スタッフによると、圃場の面積や状況にもよりますが、作業時間は人の手による散布と比べ1/10から1/15程度と大幅に短縮。圃場が大規模集積しているほど効率が高まるといいます。また、飛行するドローンから発せられる強いダウンウォッシュ(下向きの風)により、通常では難しい稲の根元まで農薬をまくことができるそうです。
同組合の春山秀男組合長は「担い手の減少や高齢化が進む中、伝統ある水田を守っていくための一つとして、有効的な手段を今後も検討していきたい」と話しています。