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【広報取材】酷暑の夏 冷凍イチゴで涼やかに
緑区大島のイチゴ観光農園「苺の郷(いちごのさと)中里農園」では今年、収穫して冷凍保存したイチゴへの人気が静かに高まっています。夏場のオフシーズンでの新たな需要掘り起こしに期待が膨らんでいます。
同園の中里昭司代表は16年前から土耕栽培からイチゴ研究を始め、高設土耕栽培に切り替えた2016年に開園しました。圏央道相模原インターチェンジから車で約10分とアクセスが良く、多摩地域を中心に県外からの客も多くやってきます。昨季は5900人が来園しました。
同園では3棟のハウス約20aで、「紅ほっぺ」や「おいCベリー」、神奈川県の育成品種「かなこまち」など、来園者が食べ比べを楽しめるよう15種類を育てています。イチゴの味にこだわり、培土にもみ殻やパーク堆肥を混ぜ、さらに骨粉や米ぬかなど有機肥料を投入しています。シーズン中は味が落ちないよう、液肥を毎日与えています。
近隣住宅への土ぼこり対策と来園者のホスピタリティ向上の一環として、駐車場も含めた敷地全体には芝生やウッドチップを敷き詰めています。来園者の受付・休憩スペースのハウスには、暖房設備として街路樹の伐採樹木を燃料に活用した薪ストーブを設置しています。
冷凍イチゴは閑散期や実の生育が多い時に収穫したもので、中里さんらがイチゴのへたを取っています。以前は手作業でへたの芯が残ることもありましたが、専用の器具を使うと1個3秒ほどで除去できるといいます。真空パックにしてから冷凍庫で凍らせ、商品化。今期は6品種を800パック用意し、ハウス内の冷凍庫で保管。-21℃以下であれば1年以上保存できるといいます。
冷凍イチゴは一般的にジャムなど加工品としての需要が多いもの。しかし、今年は過去に経験したことのない暑さが連日続いていることもあり、涼を求めて冷凍イチゴを求める問い合わせが増えてきました。夏休みの子どもがおやつとして食べたり、削りイチゴやスムージーを楽しむ家庭も多いといいます。 中里代表は「消費者には季節に応じた食べ方でイチゴを楽しんでもらえれば、うれしい」と話しています。同園の冷凍イチゴは1パック500g入りで800円(税込)。