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【広報取材】米の副産物を有効活用 稲わらに熱視線

稲わらを荷造りする臼井さん

 

 JA農産物直売所「ベジたべーな」で、管内の米農家が米の副産物として出荷する稲わらが静かな人気を誇っています。

 新磯地区の臼井道子さん宅では代々続く水田約30㌃で、神奈川県の奨励品種「はるみ」と「喜寿もち」を栽培し、年1.3㌧ほどを生産。収穫した米は自宅の直売などで販売しています。

 臼井さん宅では、昔から家畜の糞尿と稲わらで堆肥作りする一方、稲わらを必要とする地域住民へ譲っていました。販売は、県内JAの直売所で売られているのを見て「ベジたべーな」でも販売できないか直売所スタッフに相談したのがきっかけです。

 臼井さんによると、消費者はネギの倒伏防止や夏野菜のつるの固定、土壌の乾燥防止、断熱・遮熱効果を目的に購入しているといいます。また、役目を終えた稲わらは畑にすき込むことで、有機物や有用菌の補給にもつながっています。

 毎年12月になると伝統的な正月飾りを作る地域住民からの需要が高まり、特にもち米の稲わらが人気です。これは、うるち米よりもち米の稲わらの方が長く、曲げても折れにくい特徴があるからだそうです。

 稲わらは、メインである米の収穫後にハウス内で乾燥させ、その場でビニール袋に詰めて保管する。もち米の稲わらを求める消費者に分かりやすいよう、販売コーナーには「正月飾りにどうぞ」などの一言を記載した貼り紙を掲示しています。

 稲わらは一度乾かしてしまえば、その後の商品化作業に農機や刃物を使わないので、特に難しいこともなく女性でも作業は簡単で、家族に手伝ってもらうこともできます。稲わらは一袋450円(税込)で販売。 臼井さんは「出荷を始めたことで有効活用にもつながった。消費者の方には、稲わらを自分の目的に合った活用方法で利用してもらえれば」と話しています。