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【広報取材】バイクで窯けん引 ♪石焼~き芋

焼き芋の販売風景(3月上旬、なるベリーファームで)

 JA管内で、市内イチゴ観光農園が生産したサツマイモを使い、原付バイク「スーパーカブ」の後方に焼き窯を載せたリヤカーによる焼き芋の移動販売が話題となっています。熟成された濃厚な味わいと特徴的な販売スタイルが注目を集めています。

 昨年、焼き芋の移動製造販売業「カブDE芋屋」を開業し1年を迎えたのは、緑区の池田正憲さん。不動産会社や生命保険会社などで勤務後、現在は知人の会社で金融系の営業をしています。

 新型コロナウイルス禍では、副業として外食デリバリーを始めるとともに新規事業を模索していたところ、同バイクに焼き窯を載せたリヤカーをつなぎ、焼き芋を作っている動画を見かけました。「焼き芋なら特別な資格もいらず、自分でもできそうだ」と参入を決意しました。

 焼き芋に関する知識・経験を持っていなかったため、独学で学びながら先輩の焼き芋業者にこつを教えてもらい、サツマイモの甘みを引き出すための加熱温度や時間、皮をパリパリに仕上げるための窯内部の湿度などを試行錯誤しました。

 トレードマークのリヤカーは特注品で、燃焼効率を高めるため空気取り入れ口や煙突を備えた焼き窯は200㍑サイズのドラム缶。リヤカーのフレームにボルトナットで固定した。通常のリヤカーでは自転車用のタイヤ・ホイールを使うことが多いですが、200㌔の重さに耐えられるよう同バイクのパーツを使い、サスペンションも備えるなど、公道での走破性も問題ないとのこと。

 サツマイモは開業当初、他県産を使っていましたが、移動販売先で偶然、中央区のイチゴ観光農園「なるベリーファーム」が作る「べにはるか」の紹介を受けました。熟成して甘みが増したサツマイモに魅了された池田さんは材料を変更。リピート客も増え、同じ客がその日の午後に再び買いに来るほどです。

 3月上旬には同イチゴ園で販売し、イチゴの摘み取りを終えた家族連れらがお土産として買い求めるなど列を作りました。朝から用意した約40本の焼き芋は1時間ほどで完売しました。 現在は週末を中心に、市周辺のイベント会場や興味を持った業者などから出店依頼を受けて出向いています。池田さんは「認知度の向上を目指すとともにと、安定的な出店場所を確保していきたい」と話しています。