平成31年度ディスクロージャー誌
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 ◇信用リスク管理 信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランスを含む)の価値が減少ないし消失し、金融機関が損失を被るリスクのことです。 当JAでは、「資産の健全性」を維持・強化するために、従来より審査機能(審査課)と業務推進機能(融資課)を分離することで、厳正な審査のもと、貸出利用者の信用力、事業計画、返済能力等に十分留意しつつ健全な貸出の実行に努めております。 また、新規延滞発生防止を含めた債権の管理・回収の指導機能を有する融資課を設置し、債権の健全化に努めております。 なお、資産自己査定の結果、償却・引当が必要な場合は「資産の償却・引当基準」に沿い貸倒引当金等を計上し、資産及び財務の健全化に努めています。 ◇市場リスク管理 市場リスクとは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスクファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクや、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクのことで、主に金利リスク、価格変動リスクなどのことです。 当JAでは、金利リスク、価格変動リスクなどの市場性リスクを的確にコントロールし、財務の健全性維持と収益力強化とのバランスを重視した管理を行うためにALM委員会を設置し、経済・金融情勢の変化に伴い発生する市場リスクを極力回避し、安定的収益を確保するための運用方針を協議・決定しています。 また、毎週、金利設定委員会を開催し、貯金(調達)、貸出金(運用)金利体系の適切な設定に努めております。 ◇流動性リスク管理 流動性リスクとは、財務内容の悪化等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)及び市場の混乱等により市場において取引が出来なかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)のことです。 当JAでは、運用・調達資金の満期管理を行うとともに、大口の資金流出情報を併せて資金繰りの適正化に努めています。また、法令に基づく基準より多めに用意するとともに、県信連、農林中金の系統三段階で連携をはかり、万全の態勢を整えております。 なお、市場流動性リスクについては、投資判断を行う上での重要な要素と位置づけ、商品ごとに異なる流動性(換金性)を把握したうえで、運用方針などの策定の際に検討を行っています。 ◇オペレーショナル・リスク管理 オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくは、システムが不適切であること又は外生的な事象による損失を被るリスクのことです。1.リスク管理の体制11<リスク管理の体制について> 金融自由化の進展と多様化する組合員・利用者のニーズにお応えするため、JAの信用業務も事務量の増加とともに高度化・複雑化し、これに伴うリスクも増大しております。さらに、金融庁ガイドラインを踏まえた一段のマネロン・テロ資金供与対策強化へ取り組みが求められております。 当JAでは、これらの諸リスクを的確に把握し、事業環境・経営戦略、リスクの許容度等を踏まえた上で実効的な管理態勢を構築し、経営陣の主体的かつ積極的な関与の下、組織全体として常に適切な対応ができるよう、体制の整備に取り組んでおります。リスク管理への取り組み

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